【第5回・精肉売場の表示チェック】「カルビ」「ハラミ」って表示して大丈夫?

こんにちは、食品法務専門行政書士のカネウジです。

今回は、精肉売場でよく見かける「カルビ」「ハラミ」といった通称の部位名について、POP表示と商品ラベル表示の観点から、適正性を確認していきます。

◆カルビ?ハラミ?それ、正式な部位名ではありません

「カルビ」「ハラミ」は焼肉でおなじみの言葉ですが、実は法令上の正式な部位名ではありません。

【通称と実際の部位】

・カルビ → バラ肉(牛バラ肉など)

・ハラミ → 横隔膜の筋肉(内臓肉に分類)

◆POP表示:通称だけではNG?

POP表示は、消費者の商品選択に大きな影響を与えます。

そのため、表示内容が曖昧だと誤認を招くおそれがあります。

【POP表示の例と評価】

◎ 牛カルビ(バラ肉) → 通称+部位名で明確

◎ ハラミ(牛横隔膜) → 通称に補足があり適正

△ カルビ → 動物種・部位が不明で曖昧

△ ハラミ → 内臓肉であることが不明確

× ハラミステーキ(赤身) → 赤身と誤認されるおそれあり(不適正)

◆商品表示(パックのラベル):さらに厳格なルール

商品に貼るラベル(名称・原材料等)は、食品表示基準やJAS法に基づき、正確で誤認を招かない表記が求められます。

【適正な商品表示のポイント】

・正式な部位名を使用する(例:牛バラ肉、牛横隔膜)

・内臓肉は「内臓」であることを明記する

・加工状態(味付け、冷凍など)も正確に表記する

【商品ラベル表示の例と評価】

◎ 味付牛バラ肉(カルビ) → 正式名称+通称の補足あり

◎ 味付牛内臓(横隔膜)/ハラミ味付 → 補足あり適正

× カルビ → 部位名がなく不適正

× 牛赤身肉(ハラミ) → 赤身ではなく内臓、誤認のおそれあり

◆表示ミスはリスクに直結します

・POP表示の誤認 → 景品表示法違反のリスク

・商品ラベルの誤表示 → 食品表示基準違反(是正指導や行政処分)

・消費者クレーム → 信頼低下、売上への影響も

◆まとめ:通称は使える。でも“補足”が必須!

「カルビ」「ハラミ」などの通称を使うこと自体は問題ありませんが、

POPやラベルには「正式な部位名」「内臓であること」などを補足し、消費者に正しい情報を提供することが求められます。

◆次回予告

次回は、惣菜や冷凍食品などの「原材料表示」をテーマに、添加物の書き方や「/(スラッシュ)」の意味などを解説予定です。

「なぜこんな表示の順番なの?」といった疑問をスッキリさせていきましょう。

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