【第2回】「添加物ってどう書けばいいの?」〜原材料表示の基本ルール

1. はじめに

こんにちは。食品法務専門行政書士のカネウジです。

今回は、食品表示の中でも現場からの質問が多い「添加物の書き方」についてお話しします。

スーパーやコンビニで手に取った商品の原材料欄、特に添加物について「これ、どうやって書いてるの?」と疑問に思ったことはありませんか?

実は、原材料表示には表示順・書き方・分類など、細かいルールが決められています。

そしてこのルール、守らないと法令違反として行政処分や罰則の対象にもなり得るんです。

2. 原材料表示の基本ルール

【表示順】

  • 使用した重量の割合が多い順に記載
  • 添加物も含めて順番を守る必要があります

【添加物の表示方法】

  • 添加物は「/(スラッシュ)」の後にまとめて記載
     例:鶏肉、たまねぎ、しょうゆ、でん粉、/ 調味料(アミノ酸)、酸化防止剤(ビタミンC)

【添加物の種類と書き方】

  • 用途名+物質名の表示が原則
     例:着色料(カラメル)、酸化防止剤(ビタミンC)
  • 用途名のみの表示が認められるケースもあり(例:調味料(アミノ酸等))

3. 表示例で理解する:原材料表示と添加物

【例:パック総菜のハンバーグ】

原材料名:

牛肉、たまねぎ、パン粉、トマトケチャップ、砂糖、食塩、香辛料、/ 調味料(アミノ酸等)、pH調整剤、増粘剤(加工デンプン)

【ポイント】

  • 「/」以降が添加物
  • 用途名が適切に使われているかが重要です

4. 表示ミスあるあると問題点

よくあるミス:

・添加物を「/」なしで食品と混在させる

 → 消費者に誤認される可能性あり

・用途名・物質名を省略する

 → 表示不備として行政指導の対象になることが多い

・表示順を守らない

 → 誤表示と判断される恐れがある

5. 表示違反による行政処分の可能性

添加物の表示ミスは、軽微なものであっても行政指導や改善命令の対象になる可能性があります。

また、故意または重大な違反であれば、以下のようなリスクもあります。

【実際に起きた事例】

  • 某スーパーが「国産」と誤表示 → 是正命令+記者発表
  • 総菜業者が「添加物」の表示を意図的に省略 → 消費者庁の行政処分&事業者名の公表

これらの事例では、企業イメージの低下・信頼失墜・売上減少など、法的リスクだけでなく経済的ダメージも非常に大きくなりました。

【罰則の可能性】

命令に従わなかったり、悪質な虚偽表示と判断された場合には、

  • 懲役や罰金が科されることもあります
  • 法人も対象となる「両罰規定」があります

6. まとめ

  • 添加物は「/(スラッシュ)」の後にまとめて表示するのが原則です
  • 用途名・物質名の記載ルールを守りましょう
  • 表示ミスは軽微でも指導対象になり、悪質な場合は命令・罰則・企業名公表のリスクもあります

7. 次回予告&ご案内

次回は、**「国産牛肩ロース」というPOP表示は本当に正しいのか?**をテーマに掘り下げます。

一見すると問題なさそうな表示でも、消費者に誤解を与えかねない使い方をしていないか?

実際の現場に即して、「表示の工夫」と「誤認リスクの回避」について、わかりやすく解説していきます。

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